Outer Wilds (Echoes of the Eye含む)を終えて ※ネタバレ無し
宇宙船と針葉樹の森と焚き火、このメインビジュアルに心を鷲掴みにされた。
トレーラー: https://youtu.be/KYlpUxFbgTM
※ps storeより
2020年の年末にこのゲームの存在を知って、年末年始のお休みと終業後の時間でコツコツ進めて、ようやく今日エンディングを迎えることが出来た。
昔からアドベンチャーゲームが大好きだった。
小学生の頃、父親のPCを借りて「MYST」にハマった。祖父に貰った仕事の裏紙をホチキスで束ねて「MYSTノート」と名付け、プレイ記録を残していたのを今でも良く覚えている。
謎解き/アドベンチャーゲームの肝は、もちろん、謎解きと発見に有るのだが、「OBDUCTION」(MYSTのミラー兄弟が作ったゲーム)をプレイした時、どうしても分からない謎が1つだけ有ったので攻略サイトを見てしまった。答えはとてもシンプルなものだったので、その分、酷く後悔した。私は一生後悔し続けると思う。
その点で、本作ではヒントに頼らず自力でエンディングを迎えることが出来たことが、個人的にとても嬉しい。(今思えばゴリ押しで進んだところも有ったけれど)
人間にとって一番の遊びは「別の人生を体験すること」だとドラクエの堀井雄二さんが言っていた。
※堀井雄二さんの記事https://news.yahoo.co.jp/articles/e2636f19d9ea2e933be03872526b7b89dd634711
「宇宙の冒険」を体験したい人が居れば、私は大声で「Outer Wildsが良いよ!」と薦める。
特に、本作は宇宙空間の理不尽さ(孤独感、無力感、息苦しさ)がよく表現されていると思う。これらを体感出来たのは人生で2度目だ。(1度目は映画「ゼロ・グラビティ」を観た時)
Outer Wildsをプレイしている間、確かに私はOuter Wilds Venturesの一員だった。
木の炉辺(主人公のいる惑星)から、宇宙船に乗り込んで初めて宇宙に飛び立った時の興奮を、私は一生忘れないと思う。
…ここまでが2021/1/26 に書いて、今日まで下書きのまま放置されていたもの。
つい先日、Outer Wildsに大型DLC「Echoes of the Eye」が追加され、私は再びOuter Wildsの世界に戻ってきた。
またOuter Wilds Venturesとして冒険できることがとても嬉しい。このゲーム、一生プレイしていたいのに、謎解きゲームの性質上、「知らないことの答えを見つけに行く」こと自体が楽しいので、一度クリアして全てを「知って」しまった状態では、何度もプレイしようという気になり難い。そこにDLCという形で、新たな謎が持ち込まれたのだから、大はしゃぎもする。
このDLC、本当に買って良かった。これが有ってOuter Wildsの物語が真に完成したと言えると思う。
正直、ここまで書いて、ネタバレ無しでOuter Wildsを語る難しさを痛感しているし、クリア後の感想も誰かと共有したくてたまらないので、それはそれで別記事を書こうと思う。
【ネタバレ無しのOuter Wildsの魅力】
・2019年アカデミー賞受賞したインディーズゲーム(ゲーム部門が有ることを知らなかった。)
・音楽(このゲームの1つのテーマと言える。(旅人に楽器は欠かせない)Andrew Prahlow氏がレコーディングした素晴らしい音楽たち。サントラは1月時点で個人的 #今年の9枚 入りが確定。)
・ビジュアル(精緻過ぎない。カートゥーン調と言うか。私はレトロフューチャーが大好物…)
・ストーリー(泣いちゃう)
・システム(太陽系を飛び回る宇宙オープンワールド。何をして良いか分からない。宇宙を冒険する理不尽さって多分こんな感じ。)
・焚き火(マシュマロを焼いて、うとうと出来る。最高。)
・必要なもの(知的好奇心と多少の忍耐力、折れない心。)
これを読んで少しでも興味が湧いたなら、是非プレイしてOuter Wildsを忘れられない身体になって欲しい。(プレイ出来なくてもYoutube等で実況者の配信を観てOuter Wildsを忘れられなくなれば良い)
小林賢太郎演劇作品『うるう』を観て
生まれて初めて生の小林賢太郎を観た。
ラーメンズを知ったのは、確か中学2年生の頃だったと思うので、今から10年も前になる。
友達がホラーゲーム「青鬼」の絶叫実況動画と一緒に「日本語学校アメリカン」の動画をUSBに入れてくれた。
言葉遊びの楽しさと言葉の音の心地よさに、すぐにラーメンズにハマった。
当時は友達とファンサイトも作った。
『うるう』を観た。
開演前、舞台幕には森が描かれ、スピーカーからは鳥の鳴き声が流れていた。
今日は精神的に参っていた。
正直、これから小林賢太郎を観るぞという気分ではなかった。
開演。
徳澤青弦さんがチェロを弾く。
小林賢太郎の作品は曲が良い。
小林賢太郎が舞台に上がる。
私は目が良いので、顔が見えた。
見えたが、何も思わなかった。
小林賢太郎だ、と。
私は疲れていた。
小林賢太郎がセリフを喋る。
「ねぎ」の発音が、小林賢太郎だった。
興奮した。
本物の小林賢太郎だった。
今までに観た作品が頭の中に蘇り、それまで頭の中を占めていたものをどこかに押し除けてくれた。
『うるう』は1人芝居。
小林賢太郎が所狭しと劇中に散りばめられていた。
ええ声の兄ちゃん、女性、子ども、老人、何にでもなる。
声色の違う無数の小林健太郎の声が同時に流れるシーンは、カオスだった。
歌う。
小林賢太郎は歌が上手い。
「男女の気持ち」「条例」「バニー部」
歌が上手い。
ラップも上手い。
言葉遊びが大好きである。
怒涛。
怒涛の言葉遊び。
一度にこんなに出しちゃっていいの?と。
それでもまだまだ出てくる。
文字に起こして楽しみたい。
パントマイム、手影絵、仕掛けのよく分からない小道具。
惜しみない。
ネタの1つ1つを分解して、反芻して楽しみたい。
何というか、空気感が、近い。
劇中の人物名の響きも似ていた。
大人のための児童文学と書いてあるし。
「銀河鉄道の夜のような夜」
『うるう』にも幾つもトリビアが登場した。
さらりと言ってのける。
拾って帰ろうと思っても、お構いなしに舞台は進むので、帰る頃には幾つか忘れてしまっている。
起きたら何も覚えていないかもしれない。
面白かった。
これからも何度も小林賢太郎の作品を観たい。